技術紹介
KCSの技術を紹介いたします。
光海底ケーブル概要
光海底ケーブルには、大きくわけて2種類あります。
一つは、無外装ケーブルで、水深約1000~8500mまでの深海部に使用されています。 もう一つは、無外装ケーブルに鋼鉄線を取り付けた外装ケーブルです。外装ケーブルは水深約1000mまでの浅海部に使用されます。
光海底ケーブル敷設方法
ケーブル敷設ルートの水深、海底の起伏、敷設するケーブル種別等を勘案し、最適なケーブル繰出し速度と船速の設計を行い、各種ケーブルエンジン等のケーブルハンドリング設備や船の航行装置を、長年培った高い技術力によりその設計どおり正確に操作することで、高品質・高信頼性を確保したケーブル敷設工事を実現させています。
光海底ケーブル敷設手順
光海底ケーブル埋設方法
水深約1,000m以浅の海域では、漁労や投錨によるケーブルのダメージを未然に防ぐため、
大きく分けて2通りの方法により海底面下にケーブルを埋設しています。
1つは曳航式埋設機(PLOW-II)により、ケーブルの敷設と埋設を同時に行なう方法です。
船上でPLOW-IIの中にケーブルを通してから海底に降ろし、船でPLOW-II本体を曳航する工法をとるため、
敷設後のケーブルの埋設(後埋設)には不向きであり、海底地形や傾斜によって作業範囲が制限されますが、
敷設・埋設を同時に行なうことができるため短い工程での埋設作業が可能であり、
特に新規に長距離ケーブルの敷設・埋設を行なう場合に適しています。
もう1つは浮遊式ROV(MARCAS-IVやMARCAS-V)による埋設です。
ROVはジェット水流を海底に噴射しながら、状況により同じ区間を何度か往復して目標の埋設深度まで溝を掘り、
ケーブルを溝に落とし込む工法をとるため、PLOW-IIに比べて埋設作業の効率が悪いですが、
海底面上を浮遊しながら移動できるという優れた操作性から、主にケーブル修理後の
最終投入部などケーブルがカーブしている箇所や、PLOW-IIを使用できないような地形の悪い場所での作業が可能です
ROVによるケーブル探線および後埋設作業例
光海底ケーブル修理方法
海底地震や漁業に使用される漁具によって光海底ケーブルが切断されたり、
一部が傷つけられて機能が低下したりすることがあります。
このような場合、ケーブルシップが障害海域に急行してケーブルの修理を行います。
光海底ケーブルの修理作業は通常、以下の手順からなります。
- 1)ケーブル障害位置の特定
- 2)障害ケーブルのケーブルシップへの引き揚げ
- 3)ケーブル障害箇所の切断・除去
- 4)ケーブルシップタンク内の予備ケーブルと引き揚げてきたケーブルとの接続
- 5)確認試験・再敷設